ドローダウンと回復:損失を取り戻すのが難しい理由
ドローダウンとは何か、50% の損失の回復になぜ 100% の利益が必要か、連敗がどれほど普通か、資産曲線の読み方、破産リスクの直感的な理解。
ドローダウンとは、残高が最高点から、その後の安値まで下落した幅のことです。これまでの取引がどれだけの痛みをもたらしたかを示す数字であり、ほとんどの人が驚く性質を一つ持っています。損失と利益は対称ではないのです。50% を失えば、出発点に戻るだけでも残りを倍にしなければなりません。この非対称性を理解することが、一回ごとの損失を小さく保つべき最も強い根拠になります。
ドローダウンの測り方
ドローダウンは常にピークから測り、入金額から測るのではありません。
ドローダウン =(ピーク − 底)/ ピーク
具体例です。$1,000 から始めて $1,200 まで増やし、その後 $900 まで下がったとします。ドローダウンは (1,200 − 900) / 1,200 = 25% です。開始時の残高からはわずか 10% 下ですが、最高点からは 25% 下であり、新高値を更新するために登り直さなければならないのはこの 25% です。
回復の早見表
残高の d の割合を失った場合、元に戻るのに必要な利益は d / (1 − d) です。
| ドローダウン | 回復に必要な利益 |
|---|---|
| −5% | +5.3% |
| −10% | +11.1% |
| −20% | +25% |
| −25% | +33.3% |
| −30% | +42.9% |
| −40% | +66.7% |
| −50% | +100% |
| −60% | +150% |
| −75% | +300% |
| −90% | +900% |
小さなドローダウンはほぼ対称です。5% 失えば 5.3% の利益で戻ります。大きなものは罠です。−30% あたりを超えると、必要な回復は損失より速く膨らみます。理由は単純な算数で、損失の後は、小さくなった残高で同じ金額を稼ぎ戻そうとしているからです。
固定ペイアウトの取引には、さらにもう一層あります。勝った取引の利益は負けた取引の損失より常に小さいので、本物の優位性を持つトレーダーでも回復は遅くなります。期待値がマイナスなら、深いドローダウンからの回復は、平均的に見て計算上まったく裏付けられません。
連敗は普通のこと
ほとんどのドローダウンの原因は、一度の大惨事ではなく、ありふれた連敗です。50/50 の過程では、数百回の取引で予想される最長の連敗はおよそ 7〜8 回です。これは不運ではなく、ランダムさとはそういうものなのです。
連敗があなたに何をもたらすかは、投資額の大きさで決まります。
| 1 回のリスク | 8 連敗後の残高(毎回投資額を再計算) | 回復に必要な利益 |
|---|---|---|
| 1% | 92.3% | +8.4% |
| 2% | 85.1% | +17.5% |
| 5% | 66.3% | +50.7% |
| 10% | 43.0% | +132.3% |
1〜2% なら、8 連敗はついていない午後で済みます。10% では、同じくまったく普通の連敗で、残高を倍以上にしなければならなくなります。だからこそ1 回の取引のリスクが深いドローダウンに対する主な道具であり、マーチンゲール法のように負けた後に投資額を上げることが、深いドローダウンへの最短ルートなのです。
連敗したからといって、次の取引が勝ちやすくなるわけではありません。50/50 の価格では、5 連敗の後でも 5 連勝の後でも、次の取引の確率は同じです。
資産曲線の読み方
資産曲線とは、各取引後の残高をグラフにしたものです。取引履歴やトレード日誌から、どの表計算ソフトでも作れます。横軸に取引番号、縦軸にその取引後の残高を取ります。
見るべきポイントは次のとおりです。
- 全体の傾き。 少なくとも 100 回の取引で、上向きか、横ばいか、下向きか。それより短いものはほとんどノイズです。
- 下落の深さ。 ピークから底までの最大の下落が、あなたの最大ドローダウンです。その倍の深さに耐えられるか、正直に自問してください。
- 下落の形。 緩やかな下落はたいてい、手法が機能していないことを意味します。突然の崖はたいてい、ルール違反を意味します。大きすぎる投資額、リベンジトレード、長すぎたセッション。
- 下落後の行動。 下落の後に取引が大きくなったり頻繁になったりするなら、曲線が語っているのは戦略ではなく心理です。
小さな下落を伴う横ばい、またはゆるやかに下がる曲線も情報です。ペイアウト率が 100% 未満なら、優位性のない手法はまさにそういう曲線を描きます。ときどき前進のように見える戻りを挟みながら、ゆっくりと滑り落ちていくのです。
破産リスクを直感的に
破産リスクとは、残高が取引を続けられない水準、あるいはこれ以上は超えないと決めた損失まで落ちる確率です。直感をつかむのに数式は要りません。
- 投資額が大きいほど、破産リスクは高い。 各取引が残高の 20% なら、ありふれた負けが数回で口座は終わります。1% なら、とても長い連敗が必要です。
- 期待値がマイナスなら、いずれ破産する。 平均的な取引がお金を失うなら、取引回数を重ねるほど、投資額の大きさに関係なく残高は下がっていきます。投資額を小さくしても、時間がかかるようになるだけです。
- 期待値がプラスでも免疫ではない。 本物の優位性があっても、投資額が大きすぎれば、優位性が表れる前に破産することがあります。
実践的には、自分の破産ラインを前もって決めておくことです。たとえば「この口座がピークから 30% 下がったら、取引をやめてすべてを見直す」と決め、絶対のルールとして扱います。
ドローダウンは取引の普通の一部であり、深いものは取り返しがつかないこともあります。すべての取引で投資額全額を失う可能性があります。失っても困らない資金だけで取引してください。
ルールに落とし込む
- 8 連敗のコストが約 20% 未満に収まるよう、1 回のリスクを小さく保つ。
- 1 日の損失上限と、やめて見直す最大ドローダウンを決める。
- 資産曲線は取引のたびではなく、週ごとに確認する。
- 「ピークに戻る」ために投資額を増やすことは決してしない。
よくある質問
トレードにおけるドローダウンとは何ですか?
残高が最高点から、その後の安値まで下落した幅を、ピークに対する割合で表したものです。$1,200 から $900 への下落は 25% のドローダウンです。
なぜ 50% の損失を回復するのに 100% の利益が必要なのですか?
利益は小さくなった残高に対して計算されるからです。$1,000 の半分を失うと $500 が残り、$1,000 に戻るには $500 で $500、つまり 100% を稼がなければなりません。
何連敗までが普通ですか?
50/50 の過程では、数百回の取引の中で最長 7〜8 回程度の連敗は典型的です。そうした連敗に耐えられるよう、投資額を計画してください。
最大ドローダウンはどれくらいが適切ですか?
万人に共通の数字はありません。ピークから 20〜30% など、どこまでの下落を許容するかを前もって決め、そこに達したらやめて見直してください。