ADX の解説:+DI と −DI でトレンドの強さを測る
ADX と +DI・−DI の仕組み、ADX が 25 を超える意味、ADX が方向を示さない理由、トレンド系ツールとの組み合わせ方を解説します。
ADX(Average Directional Index、平均方向性指数)は、市場のトレンドがどれだけ強いかを 0 から 100 の尺度で測る指標です。トレンドが上向きか下向きかは示しません。それは相棒の二本の線、+DI と −DI の役目です。三本を合わせて使うと、多くのインジケーターが飛ばしてしまう問い、「そもそも追う価値のあるトレンドはあるのか」に答える助けになります。
三本の線
ADX は、ワイルダーが 1978 年に RSI、ATR、パラボリック SAR と並んで発表した方向性指数システム(DMI)の一部です。
- +DI(プラス方向性指標):最近の動きのうち、上向きの動きがどれだけあったかを測ります。
- −DI(マイナス方向性指標):下向きの動きがどれだけあったかを測ります。
- ADX:+DI と −DI がどれだけ離れているかを、どちらが上かに関係なく平滑化して測ったものです。
初期設定の期間は 14 です。
計算方法の概要
ローソク足ごとに、当日の高値と前日の高値(上向きの動き)、前日の安値と当日の安値(下向きの動き)を比べます。数えるのは二つのうち大きいほうだけで、しかもプラスの場合に限ります。もう一方はゼロにします。これらの値を 14 期間で平滑化し、同じ期間の ATR で割ると、+DI と −DI がパーセントで求まります。
次に方向性指数 DX = |+DI − −DI| ÷(+DI + −DI)× 100 を計算し、DX を平滑化した平均が ADX になります。差の絶対値を使うので、強い下落と強い上昇は同じ ADX を生みます。
数値の読み方
よく使われる目安は次のとおりです。
| ADX | 一般的な解釈 |
|---|---|
| 20 未満 | トレンドが弱いかない、レンジに近い状態 |
| 20〜25 | グレーゾーン、トレンドが生まれつつあるか消えつつある |
| 25 超 | トレンドがある |
| 40 超 | 強いトレンド、ときに終盤のことも |
これらのしきい値は慣習であって、物理定数ではありません。銘柄や時間足によっては、20 がほかの場面の 25 のように振る舞うこともあります。しきい値を採用する前に、取引する銘柄をデモ口座で観察しましょう。
方向を見るには DI の線を見ます。+DI が −DI より上なら上向きの圧力が優勢、−DI が +DI より上なら下向きの圧力が優勢であることを示します。
ADX は方向を問わない
ここが最も誤解されやすい点です。ADX が上昇していても、価格が上昇しているとは限りません。EUR/USD が 2 時間着実に下げ続ければ、−DI が +DI より上にとどまったまま ADX は上がります。ADX が下がっていても、価格が下がっているわけではありません。上下どちらであれ、トレンドが勢いを失っているという意味です。
ADX はトレンドが一時的に休んでいるだけでも下を向きます。38 から 32 への低下は、反転ではなく、まだ崩れていないトレンドの中の揉み合いかもしれません。
具体例
M15 の GBP/USD。アジア時間中、ADX は 14 にとどまり、+DI と −DI は数本ごとに交差し、価格は 15 pips の箱の中で動いています。ADX が語っているのは「トレンドなし」、つまりここではトレンド追随型のツールがダマシを連発しやすいということです。
ロンドン時間の始まりに、価格が箱を下抜けします。−DI が +DI の上へ跳ね上がり、続く六本で ADX は 14 から 27 へ上昇します。今度は ADX がトレンドの存在を示し、DI の線がその向きを下だと示しています。マーケットストラクチャーを使うトレーダーなら、同時に安値と高値の切り下げが形成されるのを見るでしょう。二つの見方が一致しています。
失敗のパターンはこうです。一本の鋭いニュースの足で ADX が 27 まで上がり、その後価格が箱の中へ跳ね戻る。動きがすでに失敗していても、平滑化のせいで ADX はさらに数本上がり続けます。ADX は上がるのも遅く、下がるのも遅いのです。
ADX とトレンド系ツールの組み合わせ
ADX はエントリーの引き金よりも、フィルターとして使うのが最も効果的です。
- トレンド系ツールを使うのが適切かどうかは ADX で判断します。ADX が低いときは、パラボリック SAR の反転や移動平均線のクロスを疑ってかかりましょう。
- どちら向きかは、DI の線、移動平均線、またはマーケットストラクチャーで判断します。
- どこで何かが起きそうかは、価格の水準で判断します。
DI のクロスは単独だとレンジで多くのダマシを生みます。そしてそれこそが、ADX が警告してくれるはずの状態です。
短い満期と OTC
ADX は立ち上がるまでに多くのローソク足を必要とし、二重の平滑化によって遅れが出ます。S5〜M1 のチャートでは、短い動きのほとんどが終わってから反応します。短い満期では、M5 や M15 で「トレンド相場かどうか」という現在の局面を描写するものとして読むほうが役に立ちます。
Sky Trade の OTC 銘柄では、価格は Sky Trade のサーバーが生成しており、実際の市場には連動しません。モデル上次の動きは予測不可能なので、そこで ADX が高くても、それは過去のランダムな動きを描写しているだけで、続くと期待できるトレンドではありません。
Sky Trade ターミナルでの使い方
ADX はインジケーター一覧のオシレーター系グループにあり、チャートの下の別パネルに表示されます。期間は 14 のままにし、一つの数値だけを切り離して見るのではなく、DI の線と合わせて ADX を見ましょう。
トレンドがあると分かっても、それが取引期間のあいだ続くとは限りません。ペイアウト率が 100% 未満ということは、損益ゼロにするだけでも半分を超える取引で勝つ必要があるということです。
よくある質問
ADX が 25 を超えるとはどういう意味ですか?
「トレンドがある」とみなす一般的な慣習です。方向については何も語らないので、+DI と −DI のどちらが上かを確認してください。
ADX が下がっているのは価格が下がっているということですか?
いいえ。ADX の低下は、上下どちらのトレンドであれ、現在のトレンドが弱まっていることを意味します。ADX が下がる中で価格が上がり続けることもあります。
ADX と DI の違いは何ですか?
+DI と −DI は上向きと下向きの動きを別々に測ります。ADX は両者の開きを測るので、方向抜きでトレンドの強さを示します。
ADX は先行指標ですか、遅行指標ですか?
遅行指標です。二回平滑化されているので、トレンドが始まった後にそれを確認し、弱まりも事後に示します。
ADX と相性のよいインジケーターは?
移動平均線、パラボリック SAR、MACD のような方向を示すツールと組み合わせるのが一般的で、ADX はトレンドのシグナルを検討する価値があるかどうかの判断に使います。